自然学舎ってどんなところ?どんな発見や学びがあるの?
そんな気になる疑問にお答えするため、実際に参加している「先輩」たちにインタビューしてみました。

青木桜奈さん(17歳)
自然百姓塾に参加
リーダーを務める

万波翔己さん(16歳)
自然百姓塾に参加
リーダーを務める

河村萌奈未さん(21歳・大学生)
立ち上げ時からの運営ボランティア
本格宿泊研修にも参加
異なる学年で協力しながら課題に挑戦する
ーー 最近はどんな活動をしていますか?
万:ソーラーフードドライヤーという、太陽の光を使って食べ物を乾かして、保存食にするための箱をつくってます。三、四週間ぐらいかけて、チームの子どもたちと一緒に木を切ったり、ネジを打ったりして。ゆくゆくは自分たちで育てた食べ物に使いたいですね。
青:僕はお米づくりです。僕も、自分より下の学年の子どもたちとチームでつくってます。最近、お米が三分の一くらい鹿に食べられちゃったんですよ。棚田の上段は全滅で、中段も結構食べられちゃって、下段はなんとか無事、って状態でした。
河:私も子どもたちと一緒に、畑での野菜づくりをメインに取り組んでいます。
ーー どの活動も、異なる学年でチームを組むんですね。運営する上で意識していることはありますか?
河:子どもたちは途中で集中力が途切れちゃったりして、なかなか作業が進まないこともあります。大人の目線だと「もっとこうやったら効率よくできるのに」とか、つい口出ししたくなっちゃうんですけど、できるだけしないように意識してます。失敗しても、そこから学ぶこともあるので、とりあえず思った通りに試してもらおうかなと。本当に危険なことは止めますけどね。

自然に触れていると、観察力も好奇心も身に付く
ーー 今までを振り返ってみて、学びになったと思うことはありますか?
万:自分の知らなかった世界に触れることで、視野が広がったと思います。長い時間かけて、連続して観察できるからこそ発見が多いですね。自分が面倒を見ている作物もそうだし、季節の変化もそう。一週間経つだけで、だいぶ変わってるやん!って思うこともあるし。

河:みんな、観察する力が身に付いていると思います。自然の中にいると、周りを観察していないと危ないことも多いんですよ。例えば鎌を使って稲刈りするときも、周りを見ないと危ないし。自然に適応するために、観察力が必要になる。
それに、自然の中にいたら嫌でも観察したくなっちゃう(笑)。そういう空間なんですよ、自然学舎って。見たことない虫がいたり、見たことない雑草があったり。万波くんは本当に楽しそうに観察するから、いろんな発見をしてるんだろうなって思います。子どもたちも、生き物とか採ったら「これなに?」って万波くんによく聞いてる。なんでも知ってるお兄ちゃんみたいな感じですね。
ーー生き物や植物を採ることもあるんですね。
河:畑に行くまでの山道に、ノビルっていうネギの仲間が生えてるんですけど。それを採ってそのまま食べちゃったりします。
万:食べますね〜。
河:食べられるって聞いた植物は、みんな味も分からんのに口に入れて「思ったよりまずかった」とか言ってます。好奇心がすごくて。もちろん、食べられるって分かる植物だけですけどね。
ーー野菜が嫌いな子なんかはいないんでしょうか。
河:いますけど、「自分たちが育てた野菜やったら案外食べられる!」って言ってくれた子もいます。
万:僕の弟も、自然学舎に通い始めて一年くらいで、野菜食べるようになりました。前は全然食べなかったけど、今はよく食べますね。なんか「残すのもったいない精神」が生まれて、とりあえず出されたら食べるって言ってました。
自然と向き合うことを通して、人との繋がりが生まれる
ーー 自然学舎のこういうところが自分に合ってたな、という点はありますか?
青:僕は、他の場所だと人間関係の悩みもいろいろあったんですけど、自然学舎ではそれが全くなかったんです。自然に向き合う環境だからなのか、めちゃめちゃ心地良くて。もっちゃん(河村さん)も翔己(万波さん)も他の生徒もいて、中学生の頃ものすごく心の支えになってました。僕、地道な作業が嫌いで、結構すぐ飽きて投げ出しちゃうタイプなんですけど、なんか続けられる雰囲気があるんですよね。
河:子どもたちの中にも、学校でそんな言い方したら絶対友達と喧嘩になるやろ、ってことをつい言っちゃう子もいます。でもそんな子も受け入れる雰囲気があるから、子どもたちにもそういう姿勢が身に付いてくる。嫌なことをしても許される環境というわけではなくて、「それは嫌」とか「やめて」とかはちゃんと言いますよ。でも言ったからってそれが溝になったり、仲間はずれができたりするわけでもない。みんなが受け入れてくれるっていう安心感がある。
青:一人でいても「独りぼっち」に見えないっていうのもポイントやわ。一人が好きで一人で作業する子もいるけど、仲間はずれみたいな感じじゃない。
目に見えて前進を感じられる、だから続けようと思う
ーー 今までの活動で、特に印象に残っているものはありますか?
万:やっぱり田植えが終わったときかな。僕は人見知りというか静かなほうで、最初は黙々と作業してたんですが、田植えが終わったときは、もう、初めて叫びました。

青:なにか成果を得られたときが一番かも。僕は二つあって、一つが初めて収穫したお米を食べたとき。玄米に近いようなお米なんですけど、美味しかったなぁ。二つめは販売ですね。自分のお米が売れた、自分がつくった商品が誰かに届いたっていうときは嬉しかったですね。
ーー お二人とも「達成感」がポイントだったんですかね?
青:達成感というか…やってきたことが繋がった感じ? 長い期間ずっとやってるとモチベーションが保てないときもあるんですけど、そんなときも「まあやるか」ってコツコツ続けると、後になってすごく大きな実りになる。自然学舎でのお米づくりくらい壮大な取り組みだと、成果が出たときに「一歩前進したな」という感覚になります。分かりやすく目に見えるというか。

田植えから収穫、調理、さらには販売まで、生み出してから口に入るまでのすべての活動に自分たちで取り組む。
万:これだけ日にちかけて、ずっとコツコツやってきて、やっと終わった!米楽しみ〜!って気持ち。
青:分かるわ。
万:全員で力を合わせるのも、普段の生活と違うところかなと思います。例えば勉強だと、一人で自分のためにやるイメージですけど。自然学舎の活動は、みんなで食べるためのお米だし、みんなで収穫したい。
河:二人は横から見ていても、私より作業に集中してる印象です。二人が先陣を切って全力でやってくれるので、子どもたちもその背中を見て取り組んでいると思います。私も「二人みたいに頑張るねんで」って子どもたちに言ってます。お米づくりに対して全力で向き合ってる姿勢が、より達成感に繋がってるのかもしれないですね。
「あの人みたいなことを、自分も成したい」と思える人に出会えた
ーー ちょっと質問の方向性を変えまして。今、興味のあることや、将来やってみたいことはありますか?
青:将来とかは考えるのが難しいけど、千葉さんと村元さんみたいな人になりたいなと思います。自然学舎の社員の人です。村元さんは合理的で、効率よくするのがめちゃくちゃ好きな人なんですけど、でも愛は感じる。そういうところがいいです。
千葉さんは…なんていうか、大切にしたいことをずっと大切にできる人です。お米を一粒一粒拾ったりとか。

河:すごいよね。こだわりというか、百姓に対する愛は多分誰よりも強いから。「そこまでやる?」って思うこともあります。百姓塾は手作業を大事にしているところがあるから、最初は絶対手作業にこだわるとか。
青:逆に村元さんは機械派。僕も多分どっちかっていうと村元さんタイプで、効率的にしたいタイプ。プラス飽き性なので、最初は千葉さんの手作業に「なんの意味があるの?」って思いがちだったんです。でも今はもう思えないですね。ついていきます!って感じ。分かる?
万:分かる分かる。
青:そういう人たちがつくるようなものを、僕もつくっていきたいなと思います。その人が進んで生まれる道みたいなもの。信念とかこだわりとか、愛とか楽しさとか、そういうのを僕もつくっていきたい。手作業でできる喜びとか、子どもたちだから楽しめることとか、今までにない魅力とか。全く同じものじゃなくても、そういう意味で千葉さんや村元さんと同じものをつくっていきたいなと思いますね。
新しい体験が「やりたい」に繋がる
ーー 万波さんや河村さんはいかがですか。
万:僕は、やっぱり生き物が好きなので、将来そういう仕事や大学に行きたいなと思ってます。生態系とか森林とかについて学びたくて。
自然学舎に行く前は、虫が好き、トカゲが好きみたいに、単体で興味を持ってました。でも「なんでこのトカゲおるんやろう」とか「この虫おったらどういう作用があるんやろう、なに食べるんやろう?」とか考えたら、生物同士の繋がりが見られて面白いなと思ったんです。そのきっかけは自然学舎ですね。今は、京大に行きたいなと思って、いろいろ勉強してます。
河:私は今ちょうど就活していて、絶賛悩み中ですね。高校生のときは自然学舎の活動を通して、都会の人にもっと自然を知ってもらいたいと思ってました。でも旅行とか観光産業とか、地域活性とかにも興味があったから、そういう学部にも行きたいなと思って、結局、幅広く学べる商学部に入りました。今はいろいろな業界を見ているところです。
ーー 自然学舎は、みなさんにとってどんな場なのでしょうか。
万:僕は「フリーダム」だと思います。自然学舎がフリーダムというより、自分の心がフリーダムでいられる場所。元々自然や生き物が大好きなんですけど、都会に住んでるから近くには全然ないんです。だから自然学舎だと安らぐっていうか、居心地いいなあって思ってますね、ずっと。

みんなと一緒に、自然にひたすら向き合うことで、新しい気づきが生まれます。
青:楽しい場所、居場所って感じです。あとは、精一杯やる場所ですかね。「努力」とはちょっとニュアンスが違うけど、格好つけたことをやるんじゃなくて、農業みたいに大がかりな作業をひたすら頑張ってやる場所。「がむしゃらに、一つのことにひたすら向き合ってやり切れる場」かもしれない。
河:一言では表せないんですけど…。めっちゃ行きたい日もあるし、行きたくないな〜って日もあるけど、行くことが習慣になってます。行くことが特別ではなくて、日課のようになってる場所ですね。休んだときに子どもたちが「先週なんで来てなかったん?」とか「今週は来てくれて嬉しい!」とか言ってくれるのが嬉しいので、そう思ってもらえてる限りは行きたいなって思います。
ーー 最後に、どんな人に自然学舎をお勧めしたいですか?
万:「生き物が好きだけど、近くにそういう環境がない」っていう人は絶対来てほしいですね。間違いないから。
河:「毎日毎日勉強や習い事で忙しい人」は、体と心をリフレッシュして、切り替えるために来てくれたら嬉しいなと思います。「自然学舎があるから、他の習い事も頑張ろう」って毎週楽しみにしてくれたらいいなって。でも正直、みんな来てほしいです!
ーー ありがとうございました!
